ESI-MS装置のイオン取込細孔の目詰まり
以前のホームページに掲載していたブログ記事を、少しずつこのホームページに移動しています。
今日は、3年程前に研究サポートをしていたお客様のところで経験した事です。
ESI-MS装置を使おうとした時の事、いつもの様に装置の電源を入れてシグナルが観測出来る状態にしたにも関わらず、シグナルが全く観測されない。
各部の電圧は出ているし、温度は上がっているし、ガスも流れているし...
この装置は、私以外にも複数の人が日常的に使っているので、昨日は問題無かったのかなぁと思いつつ...
こんな時は、取り敢えずイオン源を開けて、イオン取込細孔を洗うようにしています。イオン取込細孔とは、大気圧で生成したイオンが真空領域に侵入する時に最初に通過する部品で、コーン、オリフィス、Heated Capillary、Transfer Tubeなどと呼ばれています。
この時使っていた装置では、コーンと言う名称で呼ばれています。で、コーンを洗おうと思って取り外したら、なんと、かなり大きな繊維状のゴミが細孔を完全に塞いでいました。長年LC-MSを使ってきましたが、こんなに大きなゴミが詰まっているのは初めてみました。写真だと分かり難いと思いますが、本来なら円錐の先端に孔が空いているのが見えます。
シグナルが見えない、感度がちょっと悪いなど、“何かおかしいな”と思ったら、先ずはイオン取込細孔を見てみる(洗ってみる)。
やっぱり常套手段として最適だと思います。
LC-MSやGC-MSを日常的に使っていて、”なんかチョッとオカシイな”と思ってもどうして良いか分からないという分析者の方は多いと思います。
エムエス・ソリューションズでは、メーカーに関係なく、そのようなエンドユーザーさんの技術指導を行っています。
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